TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY

東京工業大学 環境社会理工学院融合理工学系  地球環境共創コース
村山研究室

MURAYAMA Laboratory

Major in Global Eng. for Development, Enviroment and Society

研究会・プロジェクト

環境政策・計画分野の村山研究室です。キーワードは、リスク評価と管理、環境・リスクコミュニケーション、環境アセスメント、政策対話、社会的意思決定などが挙げられます。特に関心を持っている分野を図に示しました。以下のいずれかの領域に関わる内容を研究対象にしていくことを考えています。

リスク評価と管理

予防的アプローチ

リスクコミュニケーション

歴史を含めた社会対応

環境アセスメント

合意形成

社会的意思決定

開発援助と環境社会配慮

事故や災害による環境影響

リスクを扱った新聞・テレビなどメディア分析

環境リスクの評価と社会的管理

社会には様々な環境リスクが存在しており、科学的な判断だけでは明確な意思決定が困難な事例が増えています。そのため、客観的なデータに基づくリスクの推定を行うとともに、市民のリスク認識を考慮に入れたリスク評価や管理のあり方を検討しています。また、レギュラトリーサイエンスの考え方を取り入れた効果的な規制や制度構築を目指しています。

 

研究テーマの例として、以下のものが挙げられます。

 

 ・アスベストをはじめとする個別の物質や発生源を対象とした環境リスクの評価と管理

 ・社会経済的な観点からみたリスク管理のあり方の検討

 ・地域レベルでの多様な環境リスクを考慮した管理の方法論

 ・予防原則や予防的アプローチを考慮したリスク管理のあり方の検討

 ・環境リスク管理の歴史社会的考察

Intl. Assoc. for Impact Assessment, 36th Annual Meeting in Nagoya

地理情報誌システム(GIS)を用いたベンゼンの年間平均濃度の推定

環境コミュニケーションと合意形成

環境アセスメント環境問題を検討するためには、多様な主体(ステークホルダー)の間で十分なコミュニケーションを図り、社会的な合意形成を目指す必要があります。そのため、特に環境リスクを対象としたコミュニケーションの社会実験を行ってきています。写真1は、埼玉県川越市で実施した際の様子です。こうした事例を通じて、政策形成や計画策定のための場の設定やプロセスのデザインを検討しています。最近では、環境省で進められている化学物質と環境に関する政策対話にメンバーとして関わっています。

 

また、2011年の大震災・原子力災害を受けて、放射性物質をめぐるリスクコミュニケーションにも取り組んでいます。このテーマについては、環境省の環境研究総合推進費の研究プロジェクト(汚染地域の実情を反映した効果的な除染に関するアクション・リサーチ)の一環として進めています。

 

さらに、廃棄物処理施設をはじめ環境リスクを伴うような迷惑施設の立地選定問題について、科学性と民主性を考慮したアプローチについても、従来より検討を進めています。

 

研究テーマの例として、以下のものが挙げられます。

 

 ・個別の工場や事業所を対象とした環境コミュニケーション

 ・地域レベルの多様な発生源を考慮したリスクコミュニケーション

 ・放射線のリスクをめぐる社会影響と自治体レベルのコミュニケーション

 ・化学物質管理を対象とした国レベルの政策対話

 ・科学性と民主性を考慮した廃棄物処理施設の立地選定のあり方

市内における化学物質管理をテーマとしたリスクコミュニケーションの事例

環境アセスメント

環境アセスメントの基本的な枠組みや評価手法、参加手続きなどの研究を行っており、特に近年は、政策・計画段階から行う戦略的環境アセスメント(SEA)や、新興国を含めた開発援助における環境社会配慮などに焦点をあてています。そのため、国内外の事例調査や、国際協力機構(JICA)をはじめとする国際協力機関の事例に関わりながら、具体的な事例をベースに取り組んでいます。村山は、JICAが進める協力事業を対象とした環境社会配慮助言委員会に委員長として関わっています。

 

また、大規模市施設の事故や災害を対象としたリスクアセスメントと環境アセスメントとの連携に向けた制度のあり方や、社会影響分析(SIA)、規制影響分析(RIA)についても検討を進めています。

 

 

地熱発電所の事例

(大分県八丁原地熱発電所)

地熱発電所事業者へのヒアリング

(福島県柳津西山地熱発電所)

2010年4月に改定された国際協力機構(JICA)の環境社会配慮ガイドライン

Copyright(C) 2012-2016 Murayama Lab. All right reserved.